はじめに|「床暖ストーブ」とは何か?寒冷地だからこその呼び方と実態

札幌や旭川など、冬の寒さが厳しい地域では「床暖ストーブ」という言葉を耳にすることがありますが、これは正式な製品名ではありません。
多くの場合、ストーブ本体に床暖房機能が組み込まれた一体型の暖房機器を指しており、寒冷地特有の生活習慣から生まれた呼び方です。
床暖ストーブは、内部に不凍液が循環する熱交換システムを備え、接続されたフロアオン型の床暖パネルに熱を供給します。
一見「床暖房とストーブを併設している」ようにも見えますが、実際には1台のストーブが温風と床暖の両方の役割を担っているのが特徴です。
また、配管や熱源が完全に独立している暖房ボイラーなどの「温水床暖房システム」とは異なり、シンプルな構造で後付けもしやすい点が、寒冷地住宅で重宝されている理由です。
本記事では、「床暖ストーブ」という言葉が定着した背景や、実際の暖房構成、導入時の注意点まで、寒冷地の現場に精通するルーム・テック・ラキアがわかりやすく解説します。
床暖ストーブの仕組みと構成
床暖ストーブの構造と特徴

床暖ストーブとは、灯油式の温水ボイラーを内蔵し、床暖房と温風暖房を1台でまかなえる暖房機器のことです。機器内部で加熱された不凍液(プロピレングリコールなど)を床下のパネル内に循環させることで、床全体を輻射熱で暖めると同時に、必要に応じて温風で室内を即座に暖めることもできます。
この“ハイブリッド構造”により、ストーブとしての即暖性と、床暖房特有のじんわりした快適性を両立できるのが最大の特長です。寒冷地では、朝晩の冷え込みには温風機能を使い、日中は床暖メインで穏やかに保温するなど、生活スタイルに応じた使い分けが可能です。
床暖ストーブは、一般的な温水式床暖房のように大掛かりな熱源機や床下配管の大規模施工が不要な点もメリットです。機器の据え付けと、対応する床暖パネルの施工を行えば、比較的コンパクトな導入ができます。
なお、暖房に使われる液体は水ではなく凍結リスクを抑える不凍液であり、寒冷地仕様として信頼性の高い構造になっています。
床暖ストーブのタイプと使用される熱源
床暖ストーブとは、「床暖房機能」と「温風暖房機能」を1台に備えた室内設置型の暖房機です。主に灯油を熱源とし、厳しい寒冷地でも安定して暖房できるよう設計されています。
床暖房といえばセントラル暖房(温水配管)をイメージする方も多いかもしれませんが、「床暖ストーブ」はもっとシンプルでコンパクトな構成です。複雑な配管工事や大がかりなリフォームをせずに、既存のストーブと置き換えるだけで床暖房を導入できるのが魅力です。
ここでは、代表的な暖房機器との違いも踏まえながら、「床暖ストーブ」と他方式との特徴を比較します。
タイプ名 | 主な熱源 | 特徴 |
---|---|---|
床暖ストーブ(内蔵型) | 灯油 | 室内設置のストーブ本体に床暖機能が内蔵されており、1台で床暖+温風暖房をまかなえる。簡易施工で導入可能。 |
セントラルヒーティング(温水配管型) | 灯油/ガス | 屋外設置の熱源機(ボイラー)から温水を各部屋に配管し、床暖房・パネルヒーター・浴室暖房などに分配。大規模な住宅向け。 |
※「床暖ストーブ」という名称は正式な製品名ではなく、“床暖+温風の暖房スタイル”を持つ機器の総称として、寒冷地の住宅で広く使われている通称です。
床暖ストーブの特徴(ポイント整理)
- 熱源は灯油が主流:寒冷地でも安定燃焼しやすく、ランニングコストも比較的低め。
- 室内設置タイプ:既存ストーブの設置場所とほぼ同条件で導入可能。
- 床暖パネルは“ソフトパネル式”が主流:床をはがすような大掛かりな工事が不要。
- 温風と床暖のW暖房:一台で部屋全体と足元を効率よく暖める構成。
このように、「床暖ストーブ」はセントラル暖房とは異なるアプローチで、より簡単・コンパクトに床暖の快適さを実現できる選択肢です。
床暖房+ストーブ併用のメリット|寒冷地住宅ならではの魅力

寒冷地で多くのご家庭が「床暖ストーブ構成」を選ぶ理由には、明確なメリットがあります。特に以下の3点は見逃せません。
1. 足元から暖まる快適性と乾燥防止

床暖房は風を使わずに“輻射熱”でじんわり暖めるため、以下のような効果が得られます。
- 床から直接身体を温めるため、体の芯まであたたかい
- 室温をそれほど上げなくても体感的に快適
- 湿度が下がりにくく、乾燥対策になる
- ホコリや花粉が舞いにくく、アレルギー体質の方にも優しい
このため、風が苦手な小さなお子さまや高齢者がいるご家庭では、体に優しい暖房として重宝されています。
2. 急激な冷え込みにも強い“速暖性”

床暖房は立ち上がりに時間がかかるため、寒冷地の朝晩の急な冷え込みに対しては即暖性のあるストーブの力が必要です。床暖+ストーブを併用することで、次のような快適性が得られます。
- 冷えた部屋を短時間で暖められる(ストーブ)
- 一度暖まれば、床暖房で穏やかに室温をキープできる
- 必要に応じて出力を切り替えられるので、無駄な運転を防げる
【併用時の快適度イメージ】
暖房タイプ | 暖まりの速さ | 足元の暖かさ | 空気の乾燥のしにくさ |
FFストーブのみ | ◎ | △ | × |
床暖房のみ | △ | ◎ | ◎ |
併用(床暖+ストーブ) | ◎ | ◎ | ◎ |
このように、床暖房とストーブの併用は、スピードと心地よさの“いいとこ取り”ができる方式といえます。
3. 暖房費の平準化と節約効果も

寒冷地では暖房の運転時間が長く、電気代・灯油代・ガス代のいずれも高額になりがちです。
その中で、床暖房とストーブを併用すると、次のようなランニングコストの平準化が期待できます。
- 床暖房で基本的な室温をキープ:熱効率が高く、連続運転向き
- ストーブは必要なときだけ稼働:ON/OFFや出力調整でムダを減らせる
- 暖めすぎを防げる:床が暖かいため、室温を控えめに設定しても快適
結果的に、電気・燃料の消費を最適化でき、月ごとの暖房費を抑えることにつながります。さらに、機器への負荷も分散されるため、機器寿命を延ばす効果も期待できます。
床暖ストーブ構成の注意点|導入前に知っておくべきこと
いくら快適とはいえ、床暖ストーブの導入には一定の費用と施工条件が伴います。設置前に以下の点をしっかり押さえておきましょう。
設置にかかるコストと施工内容
床暖ストーブは、単体の暖房機器よりも多機能で構造が複雑なため、導入費用は高くなる傾向にあります。特に以下のような構成要素が必要となります。
- 床暖ストーブ本体(灯油式):温水ボイラー+温風暖房一体型
- 床暖房パネル:専用ソフトパネルを絨毯やカーペット下に設置
- 不凍液:循環液として使用、充填作業が必要
【参考価格帯】
項目 | 概算費用(税込) |
床暖ストーブ本体(灯油式) | 約30万〜40万円 |
床暖房パネル(3〜4.5畳) | 約2万〜10万円 |
不凍液・配管材料・充填作業費 | 約1万〜3万円 |
施工・設置・調整費用 | 約2万〜3万円 |
※ストーブの機種やパネルのサイズ、不凍液の入れ替え作業、交換工事費などで価格が変わります。
よくある質問(FAQ)
Q1. 床暖ストーブは後付けでも導入できますか?
A. はい、可能です。近年主流となっている床暖ストーブは「ソフトパネル方式(フロアオンタイプ)」が多く、既存の床を剥がす必要がなく、床材の上に施工できるため、大掛かりな配管工事や床材の張替えは不要です。ただし、設置スペースや室内の構造によっては一部制約があるため、事前の現地調査は必須です。
Q2. 床暖ストーブの燃料は灯油だけですか?
A. はい。床暖ストーブは基本的に灯油を燃料とする暖房機です。ガス式の床暖ストーブは存在せず、都市ガスやLPガスを使用する熱源機とは異なります。灯油式であることで熱効率が高く、寒冷地でも安定した暖房能力を発揮します。
Q3. 床暖房だけでも部屋は暖まりますか?
A. 床暖房だけでも十分暖かく過ごせるケースは多いですが、外気温が氷点下10℃を下回るような寒冷地では、立ち上がりの速さや急激な冷え込みへの対応力の面でストーブとの併用が推奨されます。特に朝の寒さ対策として温風機能を活用するご家庭が多くあります。
Q4. 床暖ストーブの設置場所に決まりはありますか?
A. 床暖ストーブは室内に設置するタイプの暖房機です。リビングなどの使用頻度が高い部屋に設置されることが多く、基本的には既存のストーブとの交換になる場合が多いですが、新設の場合だと排気筒の取り回しや壁との距離、安全スペースなどに制限があります。設置場所は事前に確認し、施工業者と相談のうえで決定する必要があります。
Q5. 故障やメンテナンスはどのくらい必要ですか?
A. 床暖ストーブの耐用年数は10〜15年程度が目安です。年1回の点検に加え、不凍液の交換(5年ごとが目安)、バーナーやフィルターの清掃を定期的に行うことで、安全性と暖房効率を保つことができます。特に寒冷地では長時間の運転が多くなるため、こまめなメンテナンスが長持ちのカギになります。
まとめ:暖房選びで後悔しないために|床暖ストーブ導入前のポイント
床暖ストーブ(床暖房+温風暖房の一体型ストーブ)は、寒冷地の暮らしにおいて「足元の冷え」と「部屋全体の暖まりにくさ」を同時に解決できる、非常に優れた暖房機器です。
多くの場合は、既存の石油ストーブとの入れ替えとして設置されるため、本体サイズや排気筒の位置を大きく気にする必要はありません。
床暖部分も、ソフトパネル方式で床材の上に設置可能なため、大がかりなリフォームをせずに導入できる点が大きな魅力です。
とはいえ、設置前に以下の点だけは確認しておくと、より快適に使うことができます。
✅ 導入前に確認しておきたいポイント
- 床暖パネルを敷くスペースがあるか?家具と干渉しないか?
- 暖房能力が今の生活スタイルに合っているか?(家族構成などを考慮)
- 運転音やタイマー機能など、使い勝手面も確認済みか?
このように、「床暖+ストーブ」の良さを最大限に活かすには、ちょっとした配置や使い方の工夫が意外と重要です。機器選定や家族構成、生活スタイルも含めて、実際の住宅事情にあわせた最適なプランを立てることで、快適性は段違いに向上します。
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