「FF式」「FE式」の違いって何?意外と知られていない給湯器の排気方式
給湯器を選ぶとき、多くの方が「ガス種別」や「号数」には注目しますが、「排気方式」については見落としがちです。
特に札幌などの寒冷地では、外気温や積雪、室内の換気状況によって給湯器の性能や安全性が大きく左右されます。
その中でも「FF式」「FE式」と呼ばれるタイプは、主に屋内設置型のガス給湯器や暖房機器に使われる排気方式であり、
「どのように燃焼し、どのように排気ガスを外に出すか?」に直結する非常に重要な要素です。
この記事では、FF式・FE式の違いやメリット・デメリット、寒冷地における使い分けのポイントまで、現場目線でわかりやすく解説します。
FF式とは?|密閉式燃焼で安心の排気方式

FF式(Forced Flue Balanced Type)の特徴
FF式は「強制給排気式」とも呼ばれ、屋内の空気を使わず、給気・排気ともに外気を利用して行うタイプです。
- 給気:屋外の空気を本体へ取り入れる
- 排気:燃焼後のガスをファンで屋外へ排出
つまり、室内とは完全に密閉された燃焼構造を持っているのがFF式の最大の特徴です。
FF式のメリット
- 一酸化炭素(CO)中毒のリスクが低い(室内空気を使わない)
- 密閉式なので寒冷地でも室温を下げにくい
- 結露や臭いの発生が少ない
- 安全装置の連動がしっかりしており、故障時も異常検知されやすい
FF式のデメリット
- 本体設置とともに給排気筒の穴あけ工事が必要
- 屋外配管が雪や氷で塞がれると燃焼異常を起こすリスクあり
FE式とは?|簡易な排気で施工性に優れたタイプ

FE式(Forced Exhaust Type)の特徴
FE式は、排気のみを強制的に屋外に出す方式です。
給気は室内から自然に取り入れ、排気はファンで外に送ります。
- 給気:室内から
- 排気:ファンで屋外へ
FE式のメリット
- 給気用の穴あけが不要なため、施工が比較的ラク
- 本体価格・設置コストがFF式より安価な場合もある
FE式のデメリット
- 室内空気を使って燃焼するため、換気不足で不完全燃焼のリスクがある
- 一酸化炭素中毒の可能性がゼロではない(特に気密性の高い住宅では注意)
- 長時間使用する暖房機器には不向き
【比較】FF式とFE式、どちらを選ぶべき?|寒冷地での現場視点から解説
「FF式とFE式、なんとなく違いはわかったけど、うちの場合はどっちが合うの?」という声は少なくありません。
特に札幌のように外気温が厳しく、雪の影響も受けやすい地域では、給湯器の選定がそのまま“安全性”と“暮らしやすさ”に直結します。
ここでは、機能の違いをわかりやすく比較しながら、選び方の目安を整理します。
項目 | FF式 | FE式 |
---|---|---|
排気方式 | 強制給排気 | 強制排気+自然給気 |
室内空気との遮断 | 完全密閉(外気利用) | 室内空気を使用 |
安全性 | 高い(CO中毒のリスク低) | 中程度(換気依存) |
設置コスト | やや高い | 比較的安価 |
寒冷地向きか? | ◎(凍結や低温対策も可能) | △(換気・凍結対策が必要) |
またFF式とFE式とではそもそも排気管の形状が異なるので、基本的には既存の排気管を利用して設置となりますが、新設の場合ですと当然設置場所の選定や開口工事の必要が伴いますので、注意が必要です。
寒冷地でFF式・FE式を使う際の注意点
札幌のような寒冷地で給湯器や暖房機器を選ぶとき、「FF式かFE式か」という排気方式の違いは、性能面だけでなく設置環境や安全性にも大きく関わってきます。
外気温の低さ、積雪、風の強さなど、寒冷地ならではの条件を軽視すると、思わぬトラブルにつながるケースも少なくありません。
ここでは、現場でよくある注意点を排気方式別に整理して解説します。
■ FF式・FE式共通:屋外排気まわりのリスクに注意
● 排気口の埋没・塞がれによる異常燃焼
積雪や落雪で排気口が塞がれると、排気が逆流して燃焼不良や異常停止を引き起こす恐れがあります。
場合によっては故障の原因となるため、降雪が多い日は気をつけましょう。
→ 地上からの高さを確保すること、風雪よけフードやガードの設置、定期的な除雪の習慣が大切です。
● 吹き溜まりや落雪が多い位置への設置は避ける
屋根からの落雪や風の吹き溜まりに排気口が面していると、すぐに塞がれてしまう危険があります。
→ 設置場所の選定時には、風向き・雪の流れ・屋根形状まで考慮することが重要です。
■ FE式限定:室内の換気不足によるトラブル
FE式は室内の空気を使って燃焼し、排気のみを屋外に出す構造のため、室内の換気状態が安全性を左右します。
● 換気が不十分だと不完全燃焼エラーが頻発
室内の酸素が不足すると、不完全燃焼を防ぐセンサーが作動して自動停止する仕組みになっています。
高気密住宅や断熱性の高い新築住宅では、換気扇や吸気口とのバランスがとれていないとエラー頻度が高まる傾向にあります。
● 換気扇の同時使用で負圧になりやすい
キッチンや浴室の換気扇を使うと、室内が負圧になり、外からの空気が入りにくくなります。
これが原因で給気が足りず、燃焼不良を起こすケースが現場でも多く見られます。
→ FE式を選ぶ場合は、給気口の確保や常時換気システムの併用を前提に考える必要があります。
✅ 要点整理:寒冷地で排気方式を選ぶときのポイント
注意点 | FF式 | FE式 |
---|---|---|
排気口の凍結・雪害リスク | 高い | 高い |
換気不足による不完全燃焼 | ほぼなし | 起きやすい |
設置場所の工夫が必要か | 必須(風向き・積雪) | 必須(排気口のみ) |
メンテナンス・除雪の必要性 | 高い | 高い |
よくある質問(FAQ)
給湯器の排気方式は、実際に住んでみないと“違い”がわかりにくいポイントです。
そのため、札幌のお客様からも「今のままで大丈夫?」「安全性に問題ない?」といったご相談がよく寄せられます。
ここでは、現場で頻繁にいただく5つの質問にお答えします。
Q1. FF式とFE式、札幌ではどちらが多く使われていますか?
→ 札幌を含む北海道全体ではFF式が圧倒的に主流です。
気密性の高い住宅が多く、室内空気を使うFE式では換気不足による不完全燃焼のリスクがあるため、安全性の高いFF式が選ばれています。
Q2. FF式・FE式は自分で選べる?それとも住宅によって決まっているの?
→ 実は、設置場所の構造や住宅の仕様によって、選べる排気方式が限定される場合があります。
たとえば…
- 気密性が高く、換気システムがない住宅 → FF式が推奨される
- 壁に給排気用の穴あけができない(マンション・狭小地)→ FE式に限定されることがある
- 暖房機能付きの給湯器(暖房ボイラー)→ 基本的にFF式
つまり、「どちらを選ぶか」は建物の条件や安全基準、設置環境によって左右されるということです。
そのため、希望だけで選ぶのではなく、現場調査と専門業者の判断が欠かせません。
Q3. FF式にすると、室内の空気環境や結露への影響はありますか?
→ はい、あります。FF式は燃焼に室内の空気を使わないため、室内の酸素濃度や湿度が安定しやすく、結露も起きにくい傾向にあります。
冬場の窓の結露や、空気のこもり感が気になるご家庭におすすめです。
Q4. FE式からFF式にリフォームする場合、どのくらい工事が必要ですか?
→ 給排気筒の新設や壁面への穴あけ工事が必要になるため、通常の給湯器交換よりも工期・費用ともに多くなる傾向があります。
現場調査の上で正確な見積もりを取ることをおすすめします。札幌市内の住宅事情によっては設置位置の再検討が必要なケースもあります。
Q5. 凍結による排気不良やエラーが心配です。対策はありますか?
→ 寒冷地特有のトラブルとして、排気口の凍結や積雪によるふさがりが挙げられます。
これを防ぐには、以下のような対策が効果的です。
- 排気フードの高さを調整(雪に埋もれない位置へ)
- 凍結防止ヒーター付きの排水配管を使用
- 屋外の排気口まわりは定期的に除雪
FF式でも、こうした設置後のメンテナンスや立地選定が非常に重要です。
まとめ|排気方式の違いは“住まいの条件”で活きてくる
FF式とFE式、それぞれの仕組みや特徴を見てきましたが、どちらが優れているかは一概には言えません。
大切なのは、設置する住宅の構造や環境に対して「どちらの方式が適しているか」を見極めることです。
寒冷地である札幌では、凍結や積雪、気密性の高さといった地域特有の要因が影響するため、
安全性や安定性を重視するならFF式を選ぶケースが多くなります。
一方で、設置場所の制約やコスト面からFE式が選ばれることもありますが、
その場合は換気状況や設置基準にしっかり配慮することが前提となります。
つまり、「どちらでもいい」という選び方ではなく、
“自分の家に合う方式を理解した上で選ぶ”ことが、安心で快適な暮らしにつながるということです。
✅ 要点まとめ
- FF式:外気を使って給排気するため、気密性の高い住宅や寒冷地に適している。安全性・断熱性に優れる。
- FE式:室内空気を使う方式で設置自由度が高いが、換気不足には注意。定期点検と運用管理が大切。
- 札幌のような寒冷地では、排気口の凍結や積雪への対策も考慮する必要がある。
- 不完全燃焼防止装置は標準装備されているが、エラー停止を防ぐためにも環境に合った選定が重要。
- 排気方式の選択は、設置場所・住宅の構造・換気状況を踏まえた総合判断が必要。
✅寒冷地の給湯器選びに迷ったら、ルーム・テック・ラキアへご相談ください

(※当社施工事例ページより~Before:PH-20CWQHT ➡ After:RUX-V1615SFFUA(A)E)
給湯器のFF式・FE式は、“見えない違い”こそが安心・快適な暮らしを左右する大きなポイントです。
排気方式を間違えると、機器の性能を活かせないばかりか、安全面でも問題が生じる可能性があります。
特に札幌のような寒冷地では、
- 屋外配管の凍結
- 積雪による排気障害
- 換気不足による不完全燃焼のリスク
など、「その土地特有のリスク」が存在します。
「うちにはどちらのタイプが合うのか?」「どの業者に相談すればいいか?」と悩んでいる方は、
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