エコジョーズの寿命は何年？交換時期の目安と長持ちさせるコツを徹底解説

2025年11月8日

給湯器の寿命は、生活の安心を左右する大切な要素です。
中でもエコジョーズは、省エネ性能の高さから多くの家庭で採用されていますが、「何年使えるのか」「交換の目安はいつか」を正確に知っておきたいという方は多いでしょう。

一般的にガス給湯器の寿命は約10年とされていますが、寒冷地では外気温の影響や使用頻度の高さにより、劣化が早まることもあります。

この記事では、メーカー公式情報や現場での実例をもとに、エコジョーズの寿命を正確に整理し、長持ちさせるための実践的なポイントを紹介します。

エコジョーズの交換・設置は、ルーム・テック・ラキアにおまかせください。

ルーム・テック・ラキアでは、札幌近郊エリアを中心にノーリツ・リンナイ・パロマなど主要メーカーのエコジョーズを専門施工しています。
ご家庭のガス種や設置環境を確認し、最適な給湯器と工事プランをご提案。省エネ性と安全性を両立した施工を行っています。

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松本

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エコジョーズの寿命はどのくらい？

（※リンナイ公式HPより引用：高効率ガス給湯器（エコジョーズ））

▶ 平均寿命の目安

エコジョーズ（潜熱回収型ガス給湯器）は、おおむね10年前後が寿命の目安とされています。
これは、主要メーカー（リンナイ・ノーリツ・パロマ）が定めている設計上の標準使用期間が10年であるためです。
（出典：ノーリツ「ガス給湯器に関するよくある質問」）

ただし、これは「安全上支障なく使える設計期間」であり、10年を超えたら使えなくなるという意味ではありません。
実際には12〜15年程度使用されているケースも多く見られますが、部品供給期間が10年で終了することから、故障時の修理が難しくなるタイミングが寿命の目安と考えるのが現実的です。

▶ 部品の交換・供給期間について

主要メーカーでは、エコジョーズ本体の製造終了から約10年を目安に補修用部品の供給を打ち切っています。
これは経済産業省の「製造打切後の補修用性能部品の保有期間ガイドライン」（METI）にも準じたものです。
そのため、10年を超えると交換が必要になる部品が手に入りにくくなり、修理よりも本体交換を選択するケースが増えます。

メーカーが公式に公表している部品単位の「耐用年数」は存在しませんが、現場での修理履歴をもとにした目安としては次のような傾向があります。

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部品名	使用期間の目安	補足
中和器	約7〜8年	消耗部品。中和剤の劣化で排水エラー（920など）が発生しやすい。
ファンモーター	約10年前後	回転音や燃焼不良で交換になることが多い。
基板	約10年前後	経年で誤作動や通信不良を起こすことがある。
熱交換器	約10〜15年	水質・使用環境により寿命に差が出る。

これらはあくまで使用期間の目安での平均傾向であり、メーカー公式な保証値ではありません。

▶ 寒冷地で寿命が早まる理由

寒冷地では、気温が氷点下になる日が多く、給湯器内部や配管に冷気が入りやすいため、機器の負荷が大きいことが知られています。
また、外気が低いほど燃焼効率を維持するために稼働時間が増えるため、使用頻度が高くなる＝部品の劣化が進みやすいという傾向もあります。
このため、同じ年式でも、温暖地域より1〜2年ほど早く不具合が出始めるケースが見られます。

▶ ドレン排水の凍結リスクと正しい対処法

エコジョーズは燃焼時に発生する水分（ドレン水）を中和して排出しますが、外気温が−5℃以下になるとドレン配管が凍結することがあります。
凍結すると排水が機器内部に戻り、エラー（920など）が表示されることもあります。

凍結時の主な対処法は次の2つです。

急ぎの場合： 凍結した配管部分にタオルを巻き、40〜50℃のぬるま湯をゆっくりかける。高温すぎるお湯は配管を傷める恐れがあるため注意。
安全に解消する場合： 自然解凍を待つ。気温が上がると自然に溶けることが多く、無理に溶かすと配管が割れるリスクがある。

再発防止には、ドレン配管専用の保温材やヒーターを使用し、厳寒期でも本体の電源を切らないことが重要です。

▶ まとめ：寿命の考え方

設計標準使用期間は10年（メーカー共通）
部品供給は製造終了後10年で打ち切り
実際の使用寿命は10〜15年程度（環境による）
寒冷地では稼働頻度が高く寿命が短くなりやすい
ドレン配管の凍結にはぬるま湯または自然解凍で対応

寿命が近いサインとよくある故障例

（※当社施工事例ページより：エコジョーズ）

エコジョーズは、省エネ性能が高い一方で内部構造が複雑なため、10年を過ぎると細かな不具合が出やすくなります。
見た目がきれいでも内部の熱交換器や中和器、ファンモーターなどは経年劣化が進み、ある日突然エラーが表示されることもあります。
ここでは、寿命が近づいたときに見られる代表的なサインを、リンナイの公式情報と現場実例をもとに整理します。

▶ お湯の温度が安定しない・出るまで時間がかかる

給湯の温度が一定にならない、シャワーが急にぬるくなるといった症状は、熱交換器や燃焼制御部の劣化が疑われます。
内部の熱交換器は長年の使用でススや水垢が付着し、熱の伝わりが悪くなります。燃焼制御部（基板や電極など）の経年変化により、点火や燃焼バランスが不安定になることもあります。

【チェックポイント】

設定温度を上げてもお湯がぬるい
シャワーの温度が安定しない
再点火までの時間が長くなった

この段階では清掃や部品交換で改善することもありますが、設置から10年以上経過している場合は機器全体の経年劣化を疑うべき時期です。

▶ エラーコードが頻発する（リンナイ公式情報に基づく）

リンナイのエコジョーズでは、故障や異常を検知するとリモコンにエラーコードが表示されます。
とくに寿命が近いときによく見られる代表コードは以下のとおりです。
（出典：リンナイ株式会社「エラーコード一覧」）

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コード	内容	主な原因・対応の考え方
111	給湯点火不良	ガス元栓確認後に再操作。改善しない場合は点火プラグ・イグナイタ・制御系統の経年劣化が疑われる。
632	ふろ水流スイッチ故障	一時的な作動異常なら再操作で復帰。繰り返す場合はふろ系統配管や水流スイッチの交換が必要。
920／921	中和器寿命警告表示	使用継続は可能だが、中和器の交換目安を示す。放置すると930／931（交換必須）へ移行する。
722	ふろ疑似炎検知	フレームロッド配線やマニホールド異常など。経年劣化により誤検知が増える傾向。
610／611	燃焼ファン・給湯ファン異常	モーターや電子基板の劣化が原因。異音を伴う場合は交換が必要。

複数のエラーが同時期に出るようになると、特定部品ではなく機器全体の経年劣化が進行しているサインです。
特に中和器関連（920系）やファン系（610系）は、寿命を示す代表的な兆候として扱われます。

▶ 排気口・ドレンまわりの異常音や水漏れ

エコジョーズは排熱を再利用する構造のため、運転中にドレン水（凝縮水）が発生します。
この排水経路が詰まると、「ポコポコ」といった異音や水漏れを起こすことがあります。
中和器内部のろ材が劣化していたり、ドレンホースがゴミや氷で詰まることが主な原因です。

また、寒冷地では−5℃以下になるとドレン配管が凍結することもあり、その場合は次のように対応します。

急ぎの場合：凍結部分にタオルを巻き、40〜50℃のぬるま湯を上からゆっくりかける
安全に解消する場合：気温上昇を待ち、自然解凍で溶かす（無理に溶かすと配管が割れる可能性あり）

再発防止には、ドレン専用の保温材・ヒーターを使用し、本体の凍結防止ヒーター電源を切らないよう注意が必要です。
（参考：ノーリツ「寒冷地での凍結防止対策について」）

▶ 燃焼音や振動が大きくなった

燃焼ファンや循環ポンプなどの可動部は、10年前後で軸受けやモーターの摩耗が進みます。
「ゴー」「カタカタ」といった振動音や、着火時の異音が増えるときは、部品劣化によるバランス不良の可能性が高いです。
この状態を放置すると基板や燃焼部に負荷がかかり、最終的には運転停止に至るケースもあります。

▶ 寿命が近いときの総合サイン

以下のような複数の症状が重なっている場合、機器全体の寿命が近づいています。

✅ 使用年数が10年以上
✅ エラーコード（111・920など）が頻発する
✅ お湯の温度が安定しない
✅ 排水・排気口まわりに異音や水漏れがある
✅ 燃焼時の音が以前より大きい

このような状態では、部分的な修理よりも交換を前提にした点検・見積もり依頼が現実的です。
メーカーの部品供給期間（製造終了後10年）を過ぎた機器は、修理できないケースも少なくありません。

修理と交換、どちらを選ぶべきか？

同じ形状のエコジョーズ給湯器を前に、修理か交換かで悩んでいる男性のイラスト。左の給湯器にはバツ印、右の給湯器にはチェックマークが付き、中央で男性が顎に手を当てて考え込んでいる。

エコジョーズの調子が悪くなったとき、多くの方が悩むのが「修理で済むのか、それとも交換か」という判断です。

結論から言うと、10年を過ぎたエコジョーズは“修理できるかどうか”より、“修理に合理性があるかどうか”で考えるのが現実的です。

メーカーの補修部品保有期間や修理費用の上限を踏まえると、長期使用機器の修理は費用対効果が見合わないケースが増えていきます。

▶ 修理が可能なケースとは？

まず、部品供給がある範囲内（製造終了から10年以内）で、かつ特定の部品のみが故障している場合は修理で十分対応可能です。
代表的な修理対応例は以下のとおりです。

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症状・エラー	修理で対応できるケース	おおよその費用目安（税込）
エラー920／921（中和器）	中和器交換で改善可能	約15,000〜25,000円
点火不良（111）	点火プラグ・電極交換など	約15,000〜30,000円
ファンモーター異常（610）	モーター交換で対応可	約25,000〜40,000円
水漏れ（ドレン・配管まわり）	パッキン・ドレンホース交換など	約10,000〜20,000円

※費用は目安であり、機種・設置状況・出張費により変動します。
修理で対応できるのは、本体が健全で部品交換で完結する場合のみです。
ただし、これらの修理が複数箇所で発生するようになると、トータル費用が本体交換に近づくこともあります。

▶ 修理が難しい、もしくは非推奨なケース

以下のような条件が重なると、修理よりも交換を検討したほうが良いと判断されます。

✅ 設置から10年以上経過している
✅ 複数のエラーが短期間に繰り返し出る
✅ 部品供給期間が終了している
✅ 修理費が5万円を超える見積もりになっている

特に中和器交換後に別の部品（ファンや基板）が故障するケースはよくあります。
修理を繰り返すうちに総額が10万円を超えることもあり、長期的には新品交換のほうが確実かつ経済的です。

▶ エコジョーズ交換の費用目安

エコジョーズ本体の交換費用は機種タイプによって大きく変わりますが、本体価格＋工事費を合わせておおむね20〜40万円前後が一般的です。
壁掛け型・据置型・給湯暖房一体型などによって費用差があります。
また、寒冷地ではドレン排水や凍結防止ヒーターなどの追加工事費（約5,000〜10,000円）が発生することがあります。

機種タイプ	交換費用の目安（税込）
給湯専用タイプ	約18〜22万円
オート・フルオート（ふろ機能付き）	約22〜27万円
給湯暖房一体型（床暖房・パネルヒーター併用）	約37〜40万円

交換時は、設置環境（ドレン排水経路・外壁貫通部・電源位置など）を確認し、寒冷地の場合は、必ず寒冷地仕様の機種を選定することが重要です。
特に北海道などでは、凍結対策を含めた施工が不十分だと再発リスクが高まります。

▶ 現場での実情：10年を超えたら“修理より交換”

施工現場の経験としても、設置から10年以上経過したエコジョーズは、修理をしても別の部位が近い時期に故障するというケースが非常に多いです。
メーカーもこの時期を目安に「点検・交換推奨」としており、リンナイでは10年経過で「888（点検時期告知）」を表示する機種もあります。

一度の修理で延命できても、次の故障が重なると費用と手間がかかります。
「まだ使えるから」と無理に延命するより、安全性・ランニングコスト・将来の部品供給リスクを踏まえて、早めの交換を検討するのが結果的に合理的です。

▶ 修理と交換の判断基準（まとめ）

判断項目	修理	交換
設置年数	〜10年未満	10年以上
故障箇所	1箇所のみ	複数箇所・頻発
部品供給	在庫あり	終了または不明
修理費用	〜3万円程度	5万円以上になる
安全性	問題なし	経年劣化でリスク増
メーカー推奨	点検対象外	点検・交換推奨（888表示など）

長持ちさせるためのメンテナンスと使い方

デジタル技術を使ったメンテナンスとサポートを表すイメージ。指先が青い光を放ち、歯車やレンチ、サポートスタッフのアイコンが重なった未来的な雰囲気。

エコジョーズは高効率な分、構造が繊細です。
同じ機種でも使い方や環境によって、寿命が3〜5年変わることもあります。
10年以上快適に使うためには、「壊れたら直す」ではなく、「壊れないように保つ」意識が欠かせません。
ここでは、家庭でできる日常のケアと、専門点検のポイントを整理します。

▶ 中和器まわりのメンテナンス

エコジョーズ特有の部品である中和器は、排水の酸性度を中和する役割を持っています。
中和剤が減少すると「エラー920／921」が表示されるため、このタイミングで中和器交換（約7〜８年目）を行うのが理想です。
排水に異臭がある、白い結晶が見える場合も交換時期のサインです。

中和器交換は専門作業が必要ですが、交換を怠ると内部部品が腐食し、最終的には機器停止（エラー930／931）に至るため注意が必要です。

▶ 凍結防止ヒーターと電源管理

寒冷地では、エコジョーズ本体やドレン配管に凍結防止ヒーターが備わっています。
このヒーターは電源が入っている間のみ作動するため、冬期でもコンセントを抜かないことが鉄則です。

電源を切ってしまうと、機器内部やドレン配管が凍結し、「給湯できない」「エラー920が出る」「排水が逆流する」などのトラブルが発生します。

また、停電後は自動的にヒーターが再作動しない機種もあるため、復電時にはリモコン表示を確認する習慣をつけましょう。

▶ 外壁・ドレンまわりの点検

屋外設置型のエコジョーズでは、排気口やドレンホースが外気や雪に直接触れる位置にあります。
以下のチェックを定期的に行うだけで、凍結や排水不良の多くを防ぐことができます。

ドレンホースが地面に直接ついていないか
排水先（地面・排水枡）が塞がれていないか
凍結防止ヒーターが緩んでいないか
排気口に積雪・氷・虫の巣などがないか

これらの確認は、特に外気温が−5℃以下になる前の初冬（11月頃）に行うのがおすすめです。
日常点検としても5分程度でできる範囲です。

▶ 節約よりも「正常運転を保つ」意識を

寒冷地では、冬場に「電気代節約のためにコンセントを抜く」「リモコン電源を切る」といった行動がよく見られます。
しかし、エコジョーズは待機中にもヒーターやポンプを微弱運転させて内部を保護しています。
これを停止すると、翌朝の凍結やドレン破損で修理費が数万円単位になることもあります。

つまり、「電源を切らないこと」こそが最大の節約になります。
また、給湯使用後に外部から冷気が逆流しないよう、給湯栓を完全に閉める習慣も有効です。

▶ 清掃・メンテナンスの目安まとめ

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チェック項目	頻度	自分でできるか	備考
外部排気口の確認	月1回	〇	落雪・ゴミ・虫の巣を除去
ドレン配管の目視点検	季節ごと	〇	凍結・詰まり・勾配異常を確認
中和器の点検	1〜2年に1回	×（業者）	劣化・水漏れ・エラー表示確認
凍結防止ヒーターの作動確認	冬前	△	通電ランプまたは作動音を確認
燃焼状態・異音チェック	年1回	×（業者）	メーカー推奨点検を依頼

▶ 寿命を延ばす“3つの習慣”

✅ 電源を切らない（凍結防止と内部保護）
✅ 年1回の点検を続ける（小さな異常を早期発見）
✅ 排気・ドレンの詰まりを防ぐ（環境要因のダメージ軽減）

これらを意識するだけで、寿命が2〜3年延びることも珍しくありません。
設備機器は「壊れる前のケア」が最も効果的です。

よくある質問（FAQ）

Q1. エコジョーズの寿命は実際に何年くらいですか？

一般的な寿命は約10年が目安です。
メーカーの「設計上の標準使用期間」も10年ですが、使用環境やメンテナンス次第で延びることもあります。
10年を過ぎると中和器やファンモーターなど主要部品の劣化が進み、修理よりも交換を検討する時期です。
稀に15年以上使えているケースもありますが、部品供給が終了していると修理できないこともあります。

Q2. 中和器を交換すれば寿命は延びますか？

中和器交換は機器全体の寿命を延ばす有効な手段のひとつです。
エコジョーズの排水（ドレン水）は酸性のため、内部を守る中和剤が使われています。
この中和剤が劣化すると「エラー920／921」が表示されますが、交換すれば再び安全に使用できます。

ただし、中和器以外の部品（基板・ファン・熱交換器など）が同時期に劣化していることも多く、
中和器だけ交換しても延命効果は限定的な場合があります。
エコジョーズ本体が10年以上経過している場合は、総合点検を行った上で判断するのが確実です。

Q3. 寒冷地ではエコジョーズの寿命が短くなりますか？

必ずしも短くなるとは限りませんが、環境による負荷は確実に大きくなります。
札幌などの寒冷地では、冬期の使用時間が長く、外気温が−5℃以下になると内部の部品や配管に負担がかかります。
また、ドレン配管の凍結や、凍結防止ヒーターの通電不足による排水不良など、寒冷地特有のトラブルが寿命を縮める要因になります。

ただし、