
はじめに
北海道など寒冷地の暮らしでは、冬場の暖房やお湯の安定供給は命に関わる大切な設備です。
外気温が氷点下になる中で、日常的に使うお湯が出ない、暖房が効かないといったトラブルは、生活に大きな支障をきたします。

そんな中、省エネ性能に優れたガス給湯器「エコジョーズ」に注目が集まっています。
「本当に北海道の厳しい冬でも問題なく使えるの?」「初期費用が高いって聞くけど、光熱費はどれくらい下がるの?」「凍結や故障のリスクは?」──そうした不安や疑問を抱えたまま、導入に踏み切れないという声も少なくありません。
エコジョーズは、従来型の給湯器よりも熱効率が高く、長期的には光熱費の節約につながるとされています。
しかし、その一方で、寒冷地特有の課題に対応できるのか?、設置費用がどの程度なのか?といった現実的な情報が求められているのも事実です。
本記事では、エコジョーズの仕組みやメリット・デメリットを整理しつつ、北海道のような寒冷地で導入する場合の注意点、実際の光熱費比較や家族構成別の使用量シミュレーション、導入費・交換費の目安などを徹底的に解説します。
北海道でエコジョーズを検討している方、給湯器の年数が経過している方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
エコジョーズとは?基本構造と寒冷地仕様のポイント

エコジョーズとは、従来のガス給湯器と比べて熱効率を高めた省エネ型の給湯器です。
最大の特徴は、燃焼時に出る排気ガスの熱(潜熱)を再利用することで、熱効率を約95%にまで高めている点にあります。
通常、燃焼により温められた水は、その過程で多くの熱が排気として捨てられています。
エコジョーズはその熱を再利用し、水をあらかじめ温めることで、ガスの使用量を削減。
これにより、同じ量のお湯を作るのに必要なエネルギーを大幅に減らすことができます。
寒冷地向けには専用のモデルが用意されており、以下のような機能が追加されています。
✅ 1. 凍結防止ヒーター(内蔵 or 配管用)
・水やお湯が通る配管部分にヒーターが内蔵 or 接続可能になっており、温度センサーで自動制御。
・通常は外気温が3〜5℃を下回ると自動でヒーター作動。
・通水がない夜間や留守時でも凍結しないように配慮。
✅ 2. 自動ポンプ循環機能(暖房付きタイプ)
・暖房一体型の場合、凍結防止のために夜間自動で水を循環させる機能あり。
・温水回路内の水が静止しないようにし、凍結リスクを下げる。
✅ 3. 給排気筒の凍結防止構造
・屋外設置型は、排気口や吸気口に雪が吹き込まないようカバーが設計済み。
・また、排気熱が外気に露出する部分で凍結しないよう、材質や構造にも耐寒性を持たせている。
✅ 4. 凍結防止モード(通電時に作動)
・使用していないときでも、本体に通電していれば自動的に凍結防止モードが作動。
・寒冷地では「冬季はブレーカーを落とさず、電源は常時ON」が鉄則。
✅ 5. 排水ドレン処理の指示あり
・本体内部から出るドレン水が凍結しないよう、屋内配管 or 断熱措置を前提とした施工がマニュアルに明記されている。
・外部露出は極力避け、やむを得ない場合は凍結対策が必要。
✅ 6. 寒冷地専用モデル(型番に「F」「N」など記号付き)
・同じシリーズでも、寒冷地用は「低温起動保証」や「耐寒設計」が追加されていることがある。
・例:ノーリツ、リンナイ、パロマ各社で「寒冷地仕様」モデルが明示されている。
北海道などでは、暖房用ボイラーと給湯器を兼ねた“暖房給湯一体型”エコジョーズが一般的に普及しています。
これにより、セントラル暖房との連携もスムーズで、住宅全体の省エネ化が進みます。
また、温水パネルヒーターや床暖房と連動することで、室内環境の快適性も向上します。
さらに、エコジョーズは省エネ法の対象機器であるため、将来的な住宅の省エネ基準にも適合しやすく、住宅価値の向上にもつながるでしょう。
寒冷地においては、ただ「使える」というだけでなく、「快適に、安全に、長く使える」ことが選ばれる理由になっています。
エコジョーズの導入費用と交換コストの目安

エコジョーズを導入する際にまず気になるのがそのコスト。
以下に、導入・交換にかかる費用の目安を紹介します。
■給湯専用タイプの場合:本体価格:15万~25万円
工事費(配管・設置含む):10万~15万円
合計:25万~40万円前後(※1)
■暖房給湯一体型タイプの場合(セントラル暖房対応):本体価格:35万~55万円
工事費(暖房配管、排水処理含む):20万~30万円
合計:50万~80万円前後(※1)
(※1:本体のグレード、設置タイプ、ガスの種類、オプションの有無、必要工事の差で価格が変わります。)
■交換時の追加費用 ・既存設備の撤去:1~3万円
・排水管新設(エコジョーズは排水が出る):2~5万円
・寒冷地対応オプション(ヒーターなど):1~3万円
・補助金の活用も有り
地域によっては省エネ設備導入に対する補助金制度があります。
例えば札幌市では、省エネ型ボイラーへの切り替えに対して数万円の補助金が出る場合があります。
工事前に自治体のホームページで確認をしてみることをオススメします。 ⇒札幌市ホームページ
家族構成別:年間ガス使用量と光熱費の目安(LPガス、都市ガス)

実際にエコジョーズを導入した場合、光熱費はどれくらい変わるのか気になるところですよね。
ここでは、家族構成ごとのガス使用量と年間コストの目安を、LPガス・都市ガス別に比較してみました。

※備考
・単価は契約内容・使用条件によって変動します。
・表示金額は従量料金部分のみ(基本料金や原料費調整額は含まず)。
・実際の請求額はもう少し高くなる可能性があります。
セントラル暖房との併用実例と相性

寒冷地では、セントラルヒーティング(温水パネルヒーターや床暖房など)を採用している家庭が多く見られます。
エコジョーズは、このセントラル暖房と非常に相性が良く、暖房と給湯を1台でまかなえる「暖房一体型タイプ」が特におすすめです。
セントラルヒーティングと併用することで、以下のようなメリットがあります。
1. 給湯と暖房を1台でまかなえる
エコジョーズの暖房一体型モデルは、ボイラーが1台でお湯と暖房の両方に対応。設備がシンプルになることで、メンテナンスの手間や設置スペースも抑えられます。
2. 暖房効率が高く、光熱費も節約
セントラル暖房は室内をじんわり暖める方式のため、少ないエネルギーで効率よく部屋を暖められます。またエコジョーズと組み合わせることで、ガス使用量を抑えつつ快適な室温を維持できます。
3. 部屋ごとの温度ムラが少なく、空気も汚れにくい
セントラル暖房は燃焼式の暖房器具と違って空気を汚さず、ホコリも舞いにくいのが特徴。さらにパネルヒーターを使えば部屋ごとの温度差も少なく、家中どこでも快適な環境が保てます。
4. 静音性が高く、生活音が気にならない
ファンヒーターのような送風音がないため、睡眠中や在宅ワーク中でも快適。特に小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、静音性の高さが大きなメリットになります。
5. 一括制御で操作が簡単
エコジョーズはリモコン操作で給湯・暖房を一括管理できるため、複数の機器を操作する煩わしさがありません。外気温に応じた自動制御機能も搭載されている機種が多く、使い勝手にも優れています。
このように、セントラル暖房との併用は、寒冷地でのエコジョーズの性能を最大限に引き出す組み合わせです。
特に、家中を安定した温度に保ちたい家庭や、清潔で静かな暖房環境を求める人におすすめです。
✅ エコジョーズの主なメリット
エコジョーズは「省エネ給湯器」として注目されていますが、実際にどんな点が優れているのでしょうか?
ここでは、エコジョーズを導入することで得られる主なメリットを、わかりやすく紹介していきましょう!
① 光熱費が節約できる(年間1~4万円の差も)
・排熱(潜熱)を再利用することで熱効率が約95%と非常に高い。
・従来型と比べてガス使用量を10~15%ほどカット可能。
・使用頻度が多い寒冷地ほど節約効果は大きい。
② CO₂排出量を削減できる(環境にやさしい)
・ガスの使用量が少なくなることで、地球温暖化対策にも貢献。
・省エネ住宅を目指す人、SDGsに関心がある家庭にもおすすめ。
③ 寒冷地仕様モデルがある(凍結に強い)
・凍結防止ヒーター、耐寒構造、断熱配管など寒さに強い設計がされたモデルも選べる。
・雪や寒風が吹き込まないように配慮された給排気カバー付きもあり。
④ セントラル暖房との相性が良い(給湯+暖房を1台で)
・暖房一体型タイプを選べば、お湯と暖房を1台のボイラーでまかなえる。
・パネルヒーターや床暖房と組み合わせれば、家全体の暖かさと効率が向上。
・暖房・給湯を一括管理できるので操作もラク。
⑤ 快適性が高い(静音・清潔・温度安定)
・ストーブやファンヒーターと違って送風音がなく静か。
・空気を汚さず乾燥しにくいので、小さなお子さんや高齢者がいる家庭でも安心。
・湯温や室温の安定性が高く、ムラが出にくい。
⑥ 操作が簡単で便利(リモコン管理/自動運転)
・最新モデルはキッチンや浴室のリモコンで全て操作できる。
・外気温に応じた自動制御や省エネモードなど、細かな設定も可能。
⑦ 長期的には“投資回収型”の設備
・初期費用は高いけど、光熱費削減で3~7年で元が取れるケースも。
・補助金や自治体の支援制度と組み合わせれば、コストパフォーマンスはさらにアップ。
🎯 こんな家庭に向いている!
・寒冷地で冬の暖房が必須 :寒冷地仕様モデルで凍結対策OK
・家族の人数が多い :お湯の使用量が多いほど節約効果大
・セントラル暖房を使っている:暖房一体型が非常に効率的
・長く同じ家に住む予定:長期利用で投資回収しやすい
❗ エコジョーズの主なデメリット
高性能なエコジョーズにも、導入前に知っておきたい注意点があります。
ここでは、実際に起こりやすいデメリットや、導入時に気をつけるべきポイントを整理して解説します!
① 初期費用が高い
・本体価格+工事費で従来型より5〜10万円ほど高くなるのが一般的。
・暖房一体型や寒冷地仕様にするとさらに高額になる。
・初期投資を回収するには数年単位の利用が必要。
② 排水処理(ドレン処理)が必要
・高効率の仕組み上、燃焼の過程で結露水(ドレン水)が発生。
・排水を下水に流す必要があり、新設の場合、排水管の新設・延長工事が必要になることも。
・冬季に外部で配管が露出すると凍結リスクもある。
③ 停電時は使用不可
・給湯や暖房に電気制御が必要なため、停電中はお湯が使えなくなる。
・災害時のリスク対策としては、ポータブル電源や簡易加熱器具の備えが必要。
④ 故障時の修理費用が高め
・構造が複雑で電子部品が多く、修理には専門技術と費用がかかる。
・保証期間外のトラブルは部品代+技術料で高額になるケースも。
⑤ 排気が冷たくなり湯沸かしに時間がかかることがある
・高効率化の影響で排気温度が低下 → 寒冷地では排気口まわりの結露・霜付きが起こることも。
・短時間の使用(シャワーだけなど)では、熱効率の恩恵が実感しにくいという声も。
⑥ エコジョーズに対応していない既存住宅もある
・古い住宅では排水経路が確保できない場合も。
・セントラル暖房や床暖房が非対応の場合、暖房一体型の効果を十分に活かせないことも。
🔍 まとめ:向いていないケース
・賃貸や短期間の住まい:初期費用の回収が難しい
・停電が多い地域:給湯不可になるリスク
・外部排水が凍結しやすい環境:凍結対策に追加費用が必要
・お湯の使用量が少ない家庭:ランニングコスト差が小さい
まとめ:エコジョーズは寒冷地でも安心して使える?

エコジョーズは、北海道のような寒冷地においても安心して使用できる高効率ガス給湯器です。
特に暖房と給湯を一体化させたセントラル暖房との組み合わせでは、その真価を最大限に発揮します。
初期費用は高めであるものの、年間の光熱費削減効果、CO₂排出の削減、快適な室温の維持、健康的な暖房環境など、多くのメリットがあります。
導入に際しては、凍結対策といった寒冷地特有の注意点もありますが、寒冷地仕様のモデルと適切な施工によって十分にカバー可能です。
また、国や自治体の補助金制度を活用することで、導入コストの負担を軽減できる場合もあります。
長期的な視点で見ると、光熱費の節約だけでなく、生活の質向上や住宅の資産価値アップにもつながる投資といえるでしょう。
結論として、「エコジョーズは寒冷地でも十分に安心して使える機器」であり、特に家族人数が多い家庭やセントラル暖房を使っている家庭にとっては、高いコストパフォーマンスが期待できる選択肢です。
ぜひ皆さんも快適に、安全に、長く使えるエコジョーズを検討してみてはいかがでしょうか?
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