灯油の減りが早いと感じたら、まず“使い方”を見直そう
寒い季節、気づけば灯油タンクがすぐ空になっていませんか?
「設定温度を下げても減りが早い」「同じ部屋なのに去年より暖まりにくい」――そんな違和感を感じたら、それは“燃費の悪化”が始まっているサインかもしれません。
石油ストーブの燃費とは、単に「灯油をどれだけ使うか」ではなく、使った灯油がどれだけ熱として効率よく部屋を暖められているかを示す指標です。
つまり、燃費が悪いとは「同じ量の灯油で、十分に暖まらない」状態。
特に寒冷地では、外気温の低下や吸排気のバランス、住宅の断熱性などによって燃焼効率が変わるため、日々の使い方が燃費を左右します。
そこで今回は、札幌をはじめとする寒冷地の現場を知る「ルーム・テック・ラキア」が、石油ストーブの燃費を良くする6つの方法を解説します。
石油ストーブの燃費を左右する3つの要素

① 機種タイプによる燃焼効率の違い
石油ストーブには大きく分けて「FF式」「煙突式」「開放式」の3タイプがあります。
- FF式(強制給排気式)
外気を吸い込み、燃焼ガスを屋外へ排出する密閉燃焼型。室内の空気を使わないため燃焼効率が安定し、灯油のムダが少ないのが特徴です。 - 煙突式
古い住宅に多く、煙突を通じて排気を屋外に出すタイプ。燃焼は安定しますが、室内空気を使うため換気の影響を受けやすく、燃費に差が出ます。 - 開放式(ポータブル型)
ファンヒーターなどに多く、即暖性が高い反面、燃焼ガスを室内に放出する構造のため、換気や点火頻度により燃費が大きく変動します。
燃費を重視するなら、FF式ストーブが最も効率的。
住宅全体を暖めたい寒冷地では、FF式または煙突式が主流です。
② 部屋の断熱性能
どんなに高性能なストーブでも、断熱性の低い家では熱が逃げてしまいます。
特に窓や床からの冷気が強いと、設定温度を上げても暖まりにくく、灯油消費が増加します。
断熱対策として有効なのは、以下のような工夫です:
- 窓に断熱パネルや遮熱カーテンを取り付ける
- 床にカーペットやコルクマットを敷いて底冷えを防ぐ
- ドアのすき間には隙間テープを使用する
室温が1℃違うだけでも、消費する灯油量は大きく変わります。
③ 使用環境とメンテナンス
燃費を悪化させる最大の要因は、「汚れ」と「空気不足」です。
フィルターや燃焼筒にホコリ・ススが溜まると、燃焼が不完全になり灯油を余分に使ってしまいます。
また、吸気口がカーテンや家具でふさがれていると、燃焼空気が不足して効率が落ちます。
年1回の点検・掃除だけで燃費が大きく変わりますので、シーズン前に行うと良いでしょう。
寒冷地のプロが実践する「燃費を良くする6つの習慣」
1. 設定温度を1〜2℃下げ、サーキュレーターで空気を循環
部屋の上部と足元で5℃以上の温度差が生じることも珍しくありません。
ストーブの出力を上げるよりも、温かい空気を循環させる方が効果的です。
サーキュレーターを天井方向へ向けて回すだけで、体感温度が上がり燃費改善につながります。
2. 着火・消火の頻度を減らす(つけっぱなし運転のコツ)
点火時と消火時は最も燃料を使うタイミングです。
外出が短時間なら、頻繁に消すより弱火でつけっぱなしの方が灯油を節約できます。
タイマー機能を上手に使えば、無駄のない運転が可能です。
3. 給気口をふさがない・空気の流れを確保する
燃焼には酸素が欠かせません。
給気口や吸気フィルターがホコリで詰まっていると、燃焼が不完全になり赤火の原因にもなります。
最低でもシーズン前と途中の年2回は清掃しましょう。
4. 定期的にフィルターと燃焼筒を清掃
灯油のススやホコリが付着すると、燃焼効率が低下し臭いも発生します。
掃除の際は電源を切り、完全に冷えた状態で内部のホコリを除去。
長年使っているストーブほど、この差が燃費に直結します。
5. 窓際の断熱対策を強化する
暖房の熱は約半分が窓から逃げます。
遮熱カーテン、断熱フィルム、内窓パネルなどを活用すれば、ストーブの出力を下げても快適な温度を維持できます。
6. ecoモードや省エネ機能を活用する
最近のFF式ストーブには、ecoモードや室温連動制御など省エネ機能が搭載されています。
必要以上に出力を上げず、一定温度を自動維持してくれるため、燃費の安定に大きく貢献します。
燃費が悪化しているサインに気づこう

「去年より灯油の減りが早い気がする」「温風が弱く感じる」「点火の音が大きくなった」――
こうした“ちょっとした違和感”を放置していませんか?
石油ストーブの燃費は、内部の汚れや部品の劣化によって少しずつ悪化していくのが特徴です。
最初のうちは気づきにくいのですが、燃焼状態が乱れると次第に「灯油を多く使うわりに部屋が暖まらない」という状態になります。
燃焼効率の低下は灯油代が上がるだけでなく、ススの発生・異臭・一酸化炭素(CO)の発生リスクを高めることにもつながります。
特に寒冷地では、毎日の運転時間が長いため、わずかな不調でも年間で見ると大きな差になります。
燃費の悪化を見逃さないためには、日常の中で変化を察知することが大切です。
次のような症状が見られたら、早めに点検・清掃を検討しましょう。
- 炎が赤く、揺れて安定しない
- 灯油の減りが急に早くなった
- 点火時の「ボッ」という音が強い
- 以前より暖まりが遅い
- 燃焼中の臭いが強くなった
これらはいずれも燃焼不良のサインです。
フィルター詰まりや燃焼筒の汚れが主な原因ですが、年数が経つとバーナー部品の劣化も考えられます。
燃費改善に役立つ点検・メンテナンスのポイント
燃費改善を目的としたメンテナンスの中でも、最も効果が高いのがストーブのオーバーホール(分解整備)です。
内部に蓄積したススやホコリ、劣化したパッキンを交換し、本来の燃焼効率を取り戻す作業です。
実際のオーバーホールでは、以下のような工程が行われます。
- 燃焼筒・ファンの分解清掃
- バーナー・電極の点検・交換
- フレームロット(炎検知)の動作確認
- 各種消耗品交換(パッキンなど)
ただし、製造から10年以上経過した機器では、メーカーの部品供給が終了していることも多く、その場合はオーバーホールができない、もしくは限定的な整備対応となります。
そのような場合は、無理に修理を続けるよりも、新しいストーブへの交換を検討する方が安全で経済的です。
基本的には3年〜5年でオーバーホール(分解整備)をする方が多いでしょう。
「ルーム・テック・ラキア」では分解整備は行っておりませんが、メーカーや型式に応じて整備可否のご相談も行っており、交換の見積りも併せてご案内可能です。
灯油をムダにしない保管・管理のコツ

古い灯油は燃焼効率を下げ、ススや臭いの原因になります。
特にポリタンクで保管されている方は次のシーズンに持ち越さず、シーズンごとに新しい灯油を購入しましょう。
また、ホームタンクを使用している場合は、年1回の内部清掃を行うことで長期的に燃費を安定させられます。
フィルターの詰まりや錆びによる目詰まりは燃焼不良を招くため、定期点検が欠かせません。
灯油は長期保管しない
灯油は時間が経つと酸化し、燃焼効率が下がります。
保管期間の目安はシーズン以内。
シーズンをまたぐと品質が劣化し、ススや臭いの原因にもなるため、使い切るか処分するのが理想です。
タンク・容器の清掃も大切
ホームタンクやポリ容器の底には、水分やゴミ、錆びが溜まりやすく、これが燃料フィルターを詰まらせます。
年1回の水抜きや内部清掃を行うことで、灯油の流れが安定し燃費も改善します。
フィルターの詰まりに注意
灯油を送る経路にあるフィルターが詰まると、燃焼が不安定になり灯油を余分に消費します。
フィルターは年1回交換がおすすめで、フィルター内にゴミがある=タンクの汚れがある可能性が高いのでタンクの内部清掃検討しましょう。
保管場所にもひと工夫を
灯油は直射日光や高温を避け、日陰の風通しの良い場所で保管しましょう。
紫外線による酸化を防ぐことで、燃料の劣化を遅らせられます。
古いポリタンクはひび割れや臭い移りの原因になるため、5年程度で交換するのがおすすめです。
よくある質問(FAQ)
Q1. FF式と開放式ではどちらが燃費が良いですか?
A. 一般的にはFF式の方が燃費が良く、熱効率が高い構造です。外気を吸気して燃焼させるため、室内の酸素を無駄にせず、熱を効率よく活かせます。
Q2. つけっぱなしとこまめに消すのはどちらが得ですか?
A. 短時間の外出や就寝時などは、つけっぱなし(低出力運転)の方が灯油を節約できます。頻繁な点火・消火は燃料消費が増える要因です。
Q3. サーキュレーターを併用するとどれくらい変わりますか?
A. 使用環境にもよりますが、体感温度で約2〜3℃の差が出ることもあります。出力を下げても暖かく感じられるため、灯油消費の削減につながります。
Q4. 灯油の質で燃費に差は出ますか?
A. はい。酸化や水分を含んだ古い灯油は燃焼効率が下がります。購入後使用シーズン内に使い切るのが理想です。
Q5. 掃除・点検はどのくらいの頻度が目安ですか?
A. 使用頻度にもよりますが、シーズン前の年1回の定期点検が理想です。オーバーホール(分解整備)に関しましては3年〜5年に1度実施をすると安心です。
まとめ|石油ストーブの燃費は「使い方」で変えられる

石油ストーブの燃費は、機種や性能だけでなく、どんな環境でどう使うかによって驚くほど差が出ます。
サーキュレーターで空気を循環させる、設定温度を少し下げる、給気口やフィルターを掃除する――そんな日常の小さな工夫が、結果的に灯油の節約につながります。
本記事のポイントをもう一度整理すると、以下の通りです。
- FF式ストーブは燃焼効率が高く、寒冷地に最適
- サーキュレーターで空気を循環させるだけで体感温度が上がる
- 頻繁な点火・消火は燃料ロスにつながるため、短時間の外出はつけっぱなし運転が有効
- 給気口やフィルターの汚れは燃費悪化の大きな原因
- 古い灯油や汚れたタンクは、燃焼効率を下げる要因になる
- シーズン前の点検と清掃の実施と3〜5年経ったストーブは分解整備を検討
これらを意識するだけで、灯油の消費量を抑えながら快適な暖房環境を維持できます。
燃費の良し悪しは、単なる“節約”にとどまらず、安全性や機器寿命にも関わる重要なポイントです。
また、長年使っているストーブほど、内部の汚れや部品の劣化によって燃焼効率が落ちやすくなります。
年に一度の点検や、必要に応じたオーバーホールを行うことで、暖房の力をしっかり取り戻せるでしょう。
燃費の改善は、単に灯油代を節約するだけでなく、部屋を早く、均一に暖める快適さにも直結します。
暮らしの中でできる範囲から少しずつ見直し、冬の暖房をより心地よく、安全に使い続けていきましょう。
✅ストーブのことならルーム・テック・ラキアにお任せ
石油ストーブの燃費は、使い方と定期整備で大きく変わります。
「最近灯油の減りが早い」「暖まりが遅い」などの症状があれば、燃焼不良や整備不足のサインかもしれません。
ルーム・テック・ラキアでは、ストーブの交換工事やストーブに関するお悩み、設置や買い替えに関するご相談も承っております。
「灯油の減りが早い」「部屋がなかなか暖まらない」と感じたら、まずはお気軽に無料相談フォームからお問い合わせください。
現場経験のあるスタッフが、ストーブの状態や設置環境を確認し、最適な方法をご提案いたします。

無料相談だけでも大丈夫です。お気軽に声をかけてくださいね。
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