そもそもエコジョーズとは?|排水が出る仕組みを理解しよう
エコジョーズを「ただの省エネ給湯器」と思っている方は少なくありません。
しかし実際には、従来機とは根本的に構造が異なる“熱の再利用”を活かした先進機種です。そして、その最大の特徴が「排水が出る」ことにあります。
なぜ給湯器から水が出るのか?なぜ“酸性水”なのか?──まずはその仕組みを、しっかり理解するところから始めましょう。
従来のガス給湯器では、燃焼時に発生した熱のうち、排気ガスに含まれる熱(潜熱)はそのまま大気中に放出されていました。つまり「捨てていた熱」です。
エコジョーズはこの“排気熱”を再利用することで、ガスの消費量を抑えながらお湯を作り出せる構造になっています。
この過程で生まれるのが「凝縮水」と呼ばれる排水です。排気ガスに含まれる水蒸気が、熱交換器で冷やされることで水に変わり、それが排水として排出されるのです。
ただし、この排水は「弱酸性」であり、適切に中和しないまま排水してしまうと、金属腐食や土壌汚染などのリスクがあります。
そのため、エコジョーズには必ず「中和器」という装置が搭載されており、ここで中和されてから屋外や排水管へと流れていきます。
エコジョーズの排水はどこへ流れる?|排水経路の基本

エコジョーズ本体から出る排水は、自然に消えてなくなるわけではありません。
その行き先、つまり「排水経路」は、実は非常に重要な設計要素の一つです。排水処理を誤れば、水たまりや腐食だけでなく、近隣トラブルや法令違反に発展することさえあります。
ここでは、設置場所(屋内/屋外)ごとの排水処理の違いや、配管の基本ルールについて、具体的に見ていきましょう。
屋内設置型のエコジョーズでは、排水は中和された後に直接「排水管」に接続されるのが一般的です。
これはキッチンや洗面台の排水と同じように扱われ、特別な処理が不要な場合がほとんどです。
一方、屋外設置型では要注意です。
建物外壁に設置されたエコジョーズから排水が出る場合、そのまま地面に垂れ流すと地面の凍結、ぬかるみ、配管周囲の腐食などの原因になります。
特に土壌やコンクリート、金属製の架台に影響を与えることが多く、設置後2〜3年で異変が出てくるケースもあります。
理想は「雨水排水管」や「屋外のU字排水」に適切に接続すること。また、排水が流れる経路には“緩やかな勾配”が必要であり、水が溜まらないよう設計することが求められます。
当社ルーム・テック・ラキアでも、エコジョーズの設置においては「排水経路の確保」を非常に重視しています。
とくに屋外設置の場合は、凍結や水はね、周囲設備への腐食リスクを見越して、現地の勾配や配管位置を丁寧に確認したうえで施工しています。
実際の施工事例はこちらからご覧いただけます。
▶ エコジョーズ施工事例を見る
排水にまつわるトラブル事例|設置後によくあるケースとは
「正常に設置されたはずなのに、なぜか水漏れしているように見える」「周囲が濡れて腐食してきた」──そんな声は、少なからず聞かれます。
エコジョーズの排水に関するトラブルは、ちょっとした確認不足や見落としで起こることが多く、放置すると大きな修理費用につながる恐れもあります。ここでは、特に多い実例とその原因について、注意すべきポイントを整理しておきましょう。
トラブル例1:水たまりができる
最も多いのが、給湯器の下部に水たまりができるケースです。原因としては、排水ホースの脱落・折れ・途中詰まりなどが挙げられます。とくに凍結や虫の侵入により、排水口が機能しなくなることも。
トラブル例2:金属部品の腐食
排水が直接架台や金属のネジに触れることで、長期的にサビや腐食が進行することがあります。これは見落とされやすく、修理の際に発覚することも多いです。
トラブル例3:臭気・音の問題
排水がうまく流れていない場合、水が配管内に溜まり、腐敗臭が上がってくることも。あるいは排水口で「ポコポコ」と音がすることもあります。これは勾配不足や接続ミスが原因です。
排水を巡る法令・注意点|設置基準と施工責任のポイント
排水が出るということは、それが“公共のインフラ”に接続されることを意味します。
つまり、好きなように処理すればよいという話ではなく、建築基準法や水質に関する規定、さらには施工者のモラルや技術力にも大きく左右される部分です。
排水を正しく扱うことは、エコジョーズの性能を引き出すだけでなく、環境保護や近隣への配慮の面でも欠かせない要素となります。
特に注意したいのが、「排水の酸性度」です。メーカー各社(例:ノーリツ・リンナイ・パロマ)は中和器を前提に排水処理を設計しており、中和器なしでの施工は推奨されていません。
また、屋外排水に関しては、水質汚濁防止法に該当するケースもあります。地域によっては排水の垂れ流しが条例違反となる場合もあるため、設置時には自治体の基準を確認することが大切です。
これらの施工責任はすべて設置業者にあります。価格だけで業者を選んでしまうと、必要な排水処理が省略されていることもあるため、見積もり時に「排水の接続方法」を必ず確認しましょう。
実際に困ったらどうする?|排水トラブルの対処フロー
「気づいたら水たまりができていた」「サビが広がっていた」「虫がホースに詰まっていた」──こうした排水トラブルに直面したとき、焦ってしまうのは当然です。しかし実際には、確認すべきポイントを押さえておけば、冷静に対応できるケースも少なくありません。
ここでは、排水トラブルが起きたときの初期対応の流れと、プロに相談すべきタイミングについて具体的にご紹介します。
- 排水ホースが外れていないか確認
- ホースの先に障害物がないかチェック(泥、虫、氷など)
- 中和器付近に水漏れがないか確認
- 腐食が進行している箇所がないか調べる
これらの初期確認で異常が見つからない場合、施工業者への連絡が推奨されます。中和器の劣化や配管の勾配異常は、見ただけでは判断できないこともあるため、無理に分解せず、専門家に相談するのがベストです。
排水のメンテナンス方法|長く使うためのチェックポイント
エコジョーズは“10年使える”と言われることも多い機種ですが、それは「適切なメンテナンスがなされている場合」に限られます。特に排水関連の部品──ホース・中和器・接続部などは、劣化や詰まりが発生しやすいパーツのひとつ。
ここでは、エコジョーズの排水系統をトラブルなく保つための定期点検・メンテナンスの方法について、わかりやすく解説します。
- 排水ホース:1年に1回、ホースを取り外して詰まりや泥を除去
- 中和器:5〜10年で中和剤の寿命が来るため、定期点検で残量確認
- 排水経路:ゴミの溜まりや水たまりがないか、雨天後などにも観察
- 設置周囲:サビ・ぬかるみ・白い汚れがあれば、排水に問題の可能性
なお、中和器の交換作業はDIYでは推奨されません。中和剤の取り扱いや分解工程には専用の技術が必要となるため、年次点検などでまとめてチェックするのが効率的です。
排水の処理をめぐる「知られざる盲点」
施工現場では「ここに排水を流せばOK」と簡単に判断されることもありますが、実際には見落とされがちな問題が潜んでいることもあります。
たとえば、建物構造や近隣への影響、配管の高低差、騒音や臭い──こうした盲点が、あとからトラブルとして顕在化するのです。
エコジョーズを導入するにあたって、設置前にチェックすべき“見えないリスク”とは?後悔しないための視点をお伝えします。
- 配管の勾配が不足 → 排水が溜まり、臭いや虫の発生リスク
- 雨水管への誤接続 → 逆流・異臭・法令違反の可能性
- 機器下部に“結露”と誤解 → 実は排水ホースのずれが原因
- 凍結時の氷ダマ → 排水口が塞がれて逆流・漏電リスクも
これらのリスクは、設置時の「ちょっとしたひと手間」で回避できます。業者選びの際に「排水処理まで丁寧に対応してくれるか」を必ず確認しておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. エコジョーズの排水って危なくないの?
A. 危険ではありませんが、直接触れたり長時間放置するのはおすすめできません。エコジョーズの排水は、燃焼時に発生した水蒸気が冷やされてできた「弱酸性の水」で、金属の腐食や土壌への影響があるため、適切に中和・処理する必要があります。小さなお子様やペットが触れないよう注意しましょう。
Q2. 排水ホースが詰まる原因は何ですか?
A. 主な原因は、中和剤の劣化による沈殿物、虫の侵入、ホコリや砂などの異物混入です。また、排水経路の勾配が不足している場合も、水が溜まりやすくなり詰まりの原因になります。年1回の点検・清掃を心がけましょう。
Q3. 排水をそのまま庭に流しても大丈夫ですか?
A. 基本的にはおすすめできません。エコジョーズの排水は弱酸性のため、植栽や土壌、金属製品への影響が出る可能性があります。また、自治体によっては条例違反となる場合もあります。できる限り、下水管など正規の排水経路に接続しましょう。
Q4. 中和器はどれくらいで交換が必要ですか?
A. 中和器の交換目安は一般的に5〜10年です。ただし、使用頻度や水質によって劣化スピードは変わるため、定期点検で残量や状態をチェックしておくことが大切です。中和剤が固まり始めると排水がうまく流れなくなります。
Q5. 排水の音や臭いが気になるのですが対処できますか?
A. はい、可能です。多くの場合、排水経路の設計ミスや密閉不足が原因です。逆流防止弁や排水トラップの追加、遮音施工などで改善できます。施工業者に相談すれば、後付けでも対処可能なケースが多くあります。
まとめ|排水の仕組みを知ることで、エコジョーズを安心して使える
エコジョーズは、従来の給湯器よりも省エネ性能に優れた高効率機種ですが、「排水が出る」という特徴は、意外と見落とされがちです。
排水そのものは正常な動作の一部であり、故障ではありません。
しかし、正しく処理されていなければ水たまりやサビ、悪臭などの原因となり、快適な住環境を損なってしまうこともあります。
また、排水処理は使用者だけでなく、施工業者の知識と経験にも大きく左右されます。
とくに設置場所が屋外の場合、排水経路・中和処理・凍結対策など、見えない部分こそ丁寧に施工されているかがポイントになります。
「ちょっとした水漏れだと思っていたら、実は排水処理ミスだった」
「知らずに金属部分に排水が触れて、数年後に機器が腐食していた」
──こうした事態を避けるためにも、導入前の理解と設置後の点検が欠かせません。
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「この排水、本当に大丈夫?」「うちの設置方法って正しいの?」
そう思ったら、専門業者に一度見てもらうのが一番安心です。
私たちルーム・テック・ラキアでは、給湯器の設置・交換だけでなく、排水処理や凍結対策を含めた総合的なご提案を行っています。
中和器の寿命や排水ホースの詰まりなど、ちょっとしたご相談でも構いません。
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