湿気・結露・寒気…札幌の住環境で起きやすい5つのトラブルと対策下書き

2025年6月7日2025年6月9日

札幌のような寒冷地では、住まいの構造や気候に起因する住宅トラブルが多く発生します。
特に「湿気」「結露」「寒気」に関する悩みは、住み心地や健康面に大きく影響するので注意が必要です。

断熱性能の高さが求められる地域である一方で、気密性の高さが裏目に出て、かえって湿気がこもりやすい、空気が流れにくいなどの課題も存在します。
さらに、気温差による建材の膨張・収縮、換気の逆流、足元の冷えなど、住んでいる人でなければ気づきにくい“札幌特有の悩み”が積み重なることで、家そのものや住む人の健康に影響を及ぼすことも。

この記事では、札幌の住環境でよく見られる5つのトラブルとその対策方法を紹介します。

「なんとなく不快」「体調を崩しやすい」「家が傷んでいる気がする」

といった感覚がある方は、ぜひ参考にしてください。

1. 室内の湿気がこもる｜洗濯物が乾かない・カビが発生する

札幌で暮らしていると、

「なんだかジメジメしている」「洗濯物を干しても全然乾かない」

といった悩みを抱える方は多いのではないでしょうか。

これは単なる気のせいではなく、住まいの気密性と通気設計、さらに日常の生活習慣（部屋干しや浴室の使い方）などが複雑に絡み合って発生する問題です。

札幌に多い「湿気」の悩みとは？

札幌では気密性が高い住宅が一般的ですが、それが逆に「湿気が逃げにくい」状態を招くことがあります。
特に、浴室・脱衣所・リビングでの部屋干しによって湿気がこもり、洗濯物がなかなか乾かない、壁紙にカビが生える、などのトラブルにつながります。

放置するとどうなる？

衣類やカーテンにカビが生える
壁材・床材の腐食や剥がれ
健康被害（咳・アレルギー悪化）

対策方法

ガス衣類乾燥機の導入（例：乾太くん）で湿気を一気に外へ排出
換気扇の適切な運転時間（入浴後は30分以上）
除湿機＋扇風機併用で空気の循環と湿気除去を強化

2. 窓の結露がひどい｜サッシが濡れる・木枠が腐る

「朝起きたら窓がびしょびしょ」「サッシの周りに黒カビが出ている」――

そんな経験がある方は少なくありません。
札幌の住宅では外気温が低いため、結露が発生しやすく、それが建物の劣化につながることもあります。
特に窓が1枚ガラスやアルミサッシの場合、その傾向は顕著です。

なぜ札幌は結露が起きやすいのか？

結露は「室内の暖かい空気」が「冷たい窓面」に触れることで発生します。
札幌では外気温が低いため、室内外の温度差が大きく、1枚ガラスや断熱性の低い窓では結露が大量に発生します。

放置するとどうなる？

サッシ周辺の木部・クロスが腐る
カビ・ダニの温床に
結露水が床に垂れ下がり、フローリングを傷める

対策方法

内窓（二重窓）の設置で断熱性能を高める
サーキュレーターで窓まわりの空気を動かす
結露対策フィルムや調湿材の活用

3. 換気扇から冷気が逆流する｜部屋が寒くなる・風が当たる

「キッチンの換気扇から外の風が入ってくる」「換気しているはずなのに冷たい空気しか来ない」――

当社でもこうした声も多く寄せられます。
札幌のような外気温が低い地域では、換気扇の仕様によっては逆流が起きることがあるため注意が必要です。
これは新築・築浅物件を問わず起こり得る現象です。

この症状、札幌では珍しくない

キッチンやトイレの換気扇から「スースーと冷気が入ってくる」と感じるご家庭は少なくありません。
これは外気が換気扇から逆流している状態で、札幌のような寒冷地では風圧や外気温によって特に起きやすくなります。

放置するとどうなる？

室温低下（暖房効率が下がる）
湿気の逆流による壁内結露・カビの原因に
換気機能の低下（換気扇が機能しない）

対策方法

寒冷地用換気扇（逆風防止弁付き）への交換
排気口に風圧シャッターを設置
定期的なフィルター掃除とメンテナンス

4. 脱衣所やトイレが寒い｜温度差による体調不良

家の中で場所によって温度差が激しいと、身体にとって大きなストレスになりませんか？
札幌では特に脱衣所やトイレ、玄関などが寒くなりやすく、生活動線の中で不快感や健康リスクを感じる方も少なくありません。
近年では高齢化社会の影響もあり、ヒートショックに関するニュースもよく聞くので対策しておきたいものです。

家の中の“温度ムラ”が招くリスク

リビングは暖かいのに、脱衣所やトイレに入ると極端に寒い…。
こうした室内の温度差は身体へのストレスが大きく、特に高齢者にとっては深刻な健康リスクになります。

放置するとどうなる？

血圧の急変動による体調悪化（ヒートショックの一因）
長時間過ごすのを避けるようになり、生活動線が悪化
カビや結露が発生しやすい環境に

対策方法

脱衣所やトイレに小型暖房機（FF式やパネルヒーター）を設置
断熱ドアや気密性の高い建具への交換
温水ルームヒーターでの全室暖房設計

5. 床が冷たくてつらい｜足元から冷気・結露も発生

スリッパを履いていても床から冷気を感じる、ラグの下が湿っている――

札幌の住宅ではこうした「床冷え」の相談も多くあります。
これは断熱施工の不備や、建物構造によって引き起こされる問題です。特に木造戸建ての場合、床下の冷気が生活に大きく影響することがあります。

足元の冷えは“床構造”が原因かも

札幌の住宅では床下の断熱が不十分な場合、床表面の温度が極端に低くなることがあります。
スリッパを履いても冷えを感じる、床下から冷たい空気が流れてくる、という症状は断熱不足のサインです。

放置するとどうなる？

足元の冷えから体調不良や腰痛に
カーペット下にカビ・ダニが繁殖
床材の劣化や膨張・収縮トラブル

対策方法

床下断熱の見直し・施工
電気式・温水式の床暖房を導入
敷物の下に断熱シートを活用する応急処置

6. 屋外配管や機器の不調｜見えない場所に潜む凍結・腐食のリスク

札幌の住宅では、給湯器・ストーブ・エアコン室外機などの屋外設備が寒さや風雪にさらされるため、経年による劣化や機能低下が目立ちます。
特に屋外配管は、断熱が不十分だと内部が凍結し、最悪の場合は破裂につながることもあります。

気づきにくい「外の劣化」がトラブルの元に

屋外に設置された設備は、目が届きにくく、異変に気づいたときにはすでに動かなくなっているというケースも。
さらに配管カバーの破損や、保温材の劣化も札幌の厳しい気候では早く進行します。

放置するとどうなる？

給湯器や暖房機の故障リスク
凍結破裂による漏水や修理費の増大
知らない間に燃費や効率が悪化している

対策方法

配管保温材の定期点検と交換
屋外機器の簡易防雪カバー設置
本体の老朽化サイン（エラー表示・異音・着火不良など）に早めの対応

札幌では屋外設備の劣化進行が速いため、見えない場所にこそ定期点検が重要です。

よくあるご質問（FAQ）

Q1. 内窓ってどれくらい結露対策になりますか？
→ 通常の1枚ガラスに比べて、結露の発生を8〜9割削減できます。断熱・気密も改善され、光熱費削減にもつながります。

Q2. 換気扇の逆流はどのタイミングで気づけばいい？
→ 寒い日や風の強い日に、換気扇のそばで冷気を感じたら要注意です。

Q3. 脱衣所に暖房をつけると電気代が心配です。
→ 浴室暖房や、低消費電力タイプのパネルヒーターなら、経済的に使用できます。必要な分だけ温められるのも利点です。

Q4. サーキュレーターって結露対策になるの？
→ なります。窓まわりに風を当てることで、空気の対流が起きて結露が抑えられます。ただし加湿器と併用しすぎると逆効果です。

Q5. 換気扇の交換工事ってどれくらいの時間がかかる？
→ 標準的な工事なら1〜2時間程度です。ダクトの延長や電気配線の状況で変わる場合もあります。

まとめ｜札幌の家は「我慢しない暮らし」へシフトできる

札幌に住んでいると、「結露は仕方ない」「脱衣所が寒いのは当たり前」と、ついつい“寒冷地ならではの不便さ”を受け入れてしまう傾向があります。
しかし、こうした住環境の悩みの多くは、実は設備や断熱、換気の見直しで改善できるケースが非常に多いのです。

住宅の性能は、暮らしの快適さだけでなく、健康や家族の安全にも深く関わっています。
湿気がこもることでカビが発生すれば、喘息やアレルギー症状を引き起こすリスクが高まり、結露や寒気の侵入によって家の寿命が縮むこともあります。
さらに、室内の急激な温度差は、高齢者の転倒やヒートショックなど、命に関わるトラブルにつながることさえあります。

「湿気がひどい」「換気が効かない」「リビング以外が寒い」など、些細な悩みでもまずはお気軽にご相談ください。
現地調査・お見積りは無料で承っており、無理な営業なども一切行っておりません。

暮らしに“我慢”を強いるのではなく、“快適”を取り戻す。それが、札幌の家でよりよい未来を描くための第一歩です。